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新横浜フィールドレコーディング概要

横浜フィールドレコーディング
横浜フィールドレコーディング概要
日時:4月20日/5月20日   場所:横浜港   録音:津田 賢吾   記録撮影:漢那 拓也   監修:野尻 修平



効果音制作レポート第一弾といたしまして、2度に渡って行われた横浜港でのフィールドレコーディングの様子を紹介します。
今回の横浜港フィールドレコーディングで録音されたものは、サラウンド版ジャングル大帝の中の「船に積まれて」の冒頭、エライザの乗せられた貨物船が港を出航するシーンで使われるサラウンド効果音の素材です。
前例のない本編のサラウンド音楽表現同様に、サラウンド効果音も、今回、聴きどころの一つになっています。


横浜港フィールドレコーディングは、2009年2月、港の下見から始まりました。
横浜港を収録場所として決定した後は実際に出来上がったサラウンドの構成音を想像しながら収録するポイントを探しました。

録音日は、両日ともに天候に恵まれ絶好のフィールドレコーディング日和となりました。 折しも横浜港、開港150周年を記念する開国博の期間中で横浜に注目が集まっています。 ちょうど20年前の横浜港、開港130周年では、冨田先生がトミタ・サウンドクラウド・in横浜を行われていますが、 今回のフィールドレコーディングでの関わりは、また何か不思議な縁を感じます。
「絶対に良い物を創らねば」と意気込み、いざ横浜港へ向かいます・・・・。





録音ポイント1  〜 桟橋 〜

Field Rotation Field Rotation Field Rotation
まず始めの収録場所は小さな桟橋の真ん中です。許可を得て収録させていただきました。



機材の紹介

マイクは、ホロホン社が開発したワンポイントサラウンドマイクを使用しています。ラグビーボールのような形状のボディに8個の小型マイクロホンをマウントしてあります。今回発売されるアルバムは5.1サラウンドですが、研究も兼ねての7.1サラウンド (5.1+RearCenter + TOP)を試みました。ウィンドノイズ対策として、ジャマーを使用しています。

まず、機材がシンプルなので、セッティングが短時間で終わりとても便利です。この場所の難点は近くに大通りがあり、車の騒音などが絶えず聞こえる事です。 R-44の感度を慎重に調節しながら、更に静かになるタイミングを待ちながらの長時間録音となりました。
後日、研究室で試聴しましたが、まるでその場所にいるのかと錯覚する程、とてもクリアな音で収録出来ていました。





録音ポイント2   〜 近くの汽笛 と 反響音 〜

Field Rotation Field Rotation Field Rotation
続いて場所を移動して、船のエンジン音を収録しました。夕方になり、しだいに辺りが暗くなっていきます。船の出航時間が近づいて来ました。 電話で問い合わせをして、時間通りに汽笛を鳴らして頂けるように、しっかりとお願いもしました。 汽笛録音のタイミングは、一度きりなので、入念にインプットレベルをチェックしています。

予定の時刻になり録音開始です。話し声、足音・・・・人が通る度にひやひやします。また、突然の場内放送・・・・・。 余計な音でせっかくの録音が台無しにならないよう緊張の連続です。

・・・・・・・・・。

突然、けたたましい汽笛の音が耳をつんざきました。すぐに周りのビルから跳ね返った音、遠くの建物から跳ね返った音が次々と届き、 混沌とそして心地よく響き渡ります。

汽笛の録音は、なんとか無事に終わりほっと一息。ゆっくりと走りだした船を見送りながら、この日の録音は終了しました。





録音ポイント3   〜 遠くの汽笛 と 反響音〜

Field Rotation Field Rotation Field Rotation
遠くの汽笛と反響音は4月20日に収録したものを使用しました。この時は、レコーダーはR-44を一台。マイクは、研究室所有のRODE NTG-2を4本使用して4チャンネル録音を行いました。写真のマイクホルダーはホームセンターで部品を買って私が自作したものです。
この場所で聞く汽笛の音はディレイタイムが長く、しっかりとした反響もあり、豊かなサラウンドを収録することが出来ました。






サラウンドミックス 〜 完成

持ち帰った素材を研究室のNUENDOに取り込み、サラウンドミックスを行いました。遠くの音から順番に立体的になるよう配置します。 そして一つの世界の中で溶け合うようにそれぞれの質感の補正を行います。聴き手がそれぞれの音を自然に認知できるようにストーリーを演出していきます。
それから、ジャングル大帝〜66年度版にも登場した「ぽんぽん船」の音は、哀愁を漂わせる港の風物詩です。 是非今回も目の前を移動する「ぽんぽん船」の音を入れようと思いました。 しかし、残念ながら現在では廃れてしまって、この音の収録は不可能なので、仕方なくライブラリからの使用となりました。

5月下旬、仕上げの作業も一段落して、冨田先生や研究員との確認作業も終了しました。概ね評判も良く素晴らしいものが出来たのではないかと思います。より多くの人に、楽しんで頂ければと思います。





あとがき

最後になりましたが、今回機材協力をして頂いたオーディオプロセッシングテクノロジー株式会社様、尚美学園大学古山教授、当日、全面的にサポートをして下さった尚美総合芸術センターの野尻研究員、漢那研究員、その他ご協力下さいました皆様に感謝いたします。
ありがとうございました。


2009年 6月 8日
レポート著/トミタ研究室   津田 賢吾






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